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楽しみながら旬の恵みと触れ合うファーマーズマーケット

PLACE

オルタナティブな感性が息づく
ポートランドで訪れたいスポット

FARMERS MARKET

楽しみながら旬の恵みと触れ合う
ファーマーズマーケット

ポートランド州立大学で毎週土曜日に開催されている「PSUファーマーズマーケット」。このマーケットはポートランドの「ファームトゥテーブル」ムーブメントを牽引してきた地域最大級のイベントです。ここから一大人気となったブランドやメーカーも多数。シェフも数多く通っています。農作物はもちろん、ハーブやチョコレートの販売、屋台にフードデモ、ミュージックなどさまざまな催しが行われています。

ファーマーズマーケット

6月下旬の晴れた朝。滞在しているポートランドのホテルからダウンタウンへと歩いて行くと徐々に街の雰囲気が変わっていきます。瑞々しいグリーンがあふれる公園には野生のリスたちが遊んでいます。リンカーンの銅像を見ながら進んでいくと「ポートランド州立大学」に辿り着きます。路面電車がゆっくりと通過していくのを見て、道を越えるとファーマーズマーケットの会場です。まず目に飛び込んでくるのは色とりどりの果物や野菜の数々。収穫シーズンを迎えたラズベリー、ブルーベリー、ストロベリー。日本とは形が違って細長いニンジン、カリフラワーに並び、日本ではあまり見かけないアーティチョークが屋台からこぼれるほど積まれています。そこでは、ポートランドの郊外で農業を営む人たちが明るく迎えてくれます。

ファーマーズマーケット

今では全米だけでなく日本でも開催されているファーマーズマーケットは、このポートランドが先駆けと言われています。1992年、ポートランドに住む3人の活動家が地元の駐車場で開催したのが始まり。出展したベンダーはわずか13店でした。96年に場所をポートランド州立大学に移し、徐々にその規模や開催場所も他の地域へと拡大し、今では農家はもちろん、ベーカリー、食肉やシーフード、チーズメーカーなど200以上のベンダーが参加する一大イベントとなっています。ここは誰もが出店できるという訳ではありません。非営利で運営されるNPOであるPFM(ポートランドファーマーズマーケット)の条件をクリアした農家や生産者のみが出店できます。その条件はたとえば自らが運営する農場で育てたものであること、環境に負荷をかけない方法で作られているかどうか、品質にこだわっているか、などです。PFMではわたしたちが取材で訪れたポートランド州立大学でのものを含めて7ヶ所でファーマーズマーケットを開催しています。

ファーマーズマーケット

トートバッグを持って買い物に来た地元の人たち。アットホームな笑顔で話しかけてくれる店主たち。旬の自然の恵みが溢れる屋台。ここへの出店を機に全米でも人気となったというクッキーの屋台には長蛇の列ができています。最近人気という台湾の屋台では、フードのできあがりをのんびりと待っている人たちがいました。焼き釜で作られるピザは格別の美味しさでした。そしてゴミ捨て場には分別して捨てることができるよう多数のゴミ箱が置かれていました。

日々の暮らしと地産地消をつなげるファーマーズマーケット。オーガニックや環境に配慮して作られるものは、手間や時間がかかるためスーパーマーケットで販売されているものよりは割高かもしれません。しかし、ポートランドの人たちはそれを購入することが、地元の生産者や土地への感謝も含んでいることをわかっているのでしょう。生産する人たち、消費する人たち、そしてマーケットを運営する人たち。みんなが共通の意識〜地元のもの大切に育てていこう〜を持っている。「食」を中心として築かれるコミュニティに、改めてゆとりあるスローなライフスタイルや食という体験を楽しむポートランドを感じました。

ファーマーズマーケット